マチズモの言葉の意味や定義とは?コトバンクやWikiにはなんて書いてあるの?
マチズモってどういう意味や定義?
マチズモ(もしくはマチスモ)は「男らしい」「誇示された力」を指します。また「男性優位主義」として使われることも多いです。英語でmachismoと書きますが、スペイン語で男らしい男を指す「macho」が語源になっています。
類義語には、語源を同じくしている「マッチョ」や「マッチョイズム」が存在します。
machismo (マチスモ、もしくはマチズモ)は「男性優位主義」を指し、男性としての優位性、男性としての身体的及び精神的な性的魅力、男性の特徴を誇示する、という意味合いがある。
引用元:Wikipedia
《「マチズモ」とも。ラテンアメリカで賛美される「男らしい男」を意味するスペイン語のmachoから》男っぽさ。誇示された力。男性優位主義。
引用元:コトバンク
では、男性優位主義とは具体的にどのような社会でしょうか。身近な場面をいくつか例として説明します。
- 家事(掃除や料理)は女性
- 接待でお酒を注ぐのは女性
- 歩いているだけでぶつかられる、電車に乗っているだけで痴漢にあうのは女性
- 出世において(少なくとも見かけ上)不利なのが女性
- 発言権がない、または弱いのが女性
- 政治家からも飛び出るような差別発言を受けるのは女性
世間にたくさん存在している「マチズム」のほんの一例を書いただけですが、思い当たる場面はありませんか?このように男性の方が「生活しやすい」あるいは「有利に物事を運べる」社会をマチズムと呼びます。
ただし、近年では男性側が不利益を被る意味で「マチズモ」が使われる場面も出てきています。
- 男性だから「頑張って当たり前」
- 男性だから「我慢するのが当たり前」
- 男性だから「強くて当たり前」
恐らく、男性の皆様は「男の子なんだから泣いちゃダメ!」「男の子なんだから〇〇ちゃんを守ってあげてね」「男の子なんだから辛くてももっと頑張らないと」のような言葉をかけられた覚えがあるのではないでしょうか。
男女平等を目指す社会の中で、改めてマチズモという言葉を通じて「当たり前」を見直す機会を作ってみると良いかもしれませんね。
マチズモという言葉が浸透した背景は?
ジェンダーギャップ指数の順位
「男女平等」という言葉が政治家や大企業からも積極的に出てきている点が、逆の意味である「マチズモ」をより目立たせていくことで、少しづつ浸透してきています。2021年に発表されたジェンダーギャップ指数は156カ国中120位、先進国の中ではぶっちぎりの最下位だったことも、男女平等を見直すきっかけの一要因となっているでしょう。
ジェンダーギャップ指数は世界経済フォーラムが毎年公表する、男女格差を測る指標。「政治」「経済」「健康」「教育」の4観点で評価される。
SNSの普及
また、SNSの普及やさまざまな支援団体の存在もあり、それぞれの想いを発信する場や機会が増えている点も浸透した理由の一つです。SNSの普及前には「嫌だな」「不平等だな」と思っていても、直接相手に言うしかなく、結局は胸に留めておくしかない状況でした。
でも、今は似た境遇の仲間を探すことも、理不尽だと思うことに対して声を上げることも以前に比べて容易になりました。(もちろん、ハードルが下がっただけで、誰でも大きな声を出せるわけでなありませんが。)誰かの発信に共感するだけでも、後押しするだけでも社会を変える偉大な一歩になります。
ただし、SNSも使い方を誤ると炎上リスクや誰かを傷つけてしまうリスクはあるため、細心の注意を払って利用しましょう。
まとめ
マチズモという言葉が浸透してきたおかげで、「管理職の50%を女性へ」「男性でも育休が取りやすい制度を」のように、少しづつではありますが変わろうとする企業も増えています。女性起業家を見る機会も以前と比べ、増加しているでしょう。
武田砂鉄さんの「マチズモを削り取れ」という書籍にもある通り、社会が急激に変わっていくことはありません。一人一人の、見えている・気付いた範囲の「マチズモ」を少しづつ、少しづつ削っていくことで、誰もが過ごしやすい社会にちょっと近づくことができるのです。
まだまだ、仕組みだけ・形だけが先行していることは否めませんが、少しづつでも前に進み続けることで、いつか「当たり前」が変わっていくことを願っております。