マチズモとフェミニズムの関係性や成り立ちを解説
マチズモとは?
マチズモはスペイン語の「macho(男らしさ)」を由来とし、男性優位主義、すなわち男性が有利・優位に過ごしやすい社会を指します。具体的には以下のような場面があります。
- 男性の方が政治家・管理職が多い
- 男性の方が昇進しやすい・給与を多くもらいやすい
- 女性の方が痴漢のような被害者割合が高い
もちろん、日常にはもっと小さな違和感はたくさん溢れています。例えば、便座が上がった状態がデフォルトのトイレや女性が横に避けるのが当たり前の駅のホームなど。男性には青色、女性にはピンク色が当てられる場面もまた、マチズモ思想でしょう。
このように男性が当たり前として暮らしている中でも、女性にとってはたくさんの違和感を感じる場面が多々あります。
また、マチズモが浸透することで男性側にとっても苦しいなと思う場面も発生します。男らしさを強調する社会においては「弱音を吐くな」「辛さを見せるな」「女性を守れ」「家を養え」といった、当たり前も同時に発生しています。
男性らしさを強要する面でもまた、マチズモ思想の負と言えるでしょう。
フェミニズムとは?
一方でフェミニズムは政治経済や社会活動において、女性が当たり前の権利を獲得できる社会を目指す思想です。男性・女性といった性別に関係なく、誰もが平等に生きられる社会を目指す行動を指す場合もあります。
ファミニズムと聞くと「女性が過ごしやすい社会を目指すのか?」といった声も上がりますが、あくまで「女性の権利や地位を男性と同等まで引き上げる」ことを目的としています。性差なく誰もが自由に、平等に過ごせるような社会を作ることがフェミニズムの思想であり、目的です。
マチズモとフェミニズムの関係性は?
男性優位主義なマチズモと、その社会を変えようとする思想や行動を指すフェミニズム。マチズモがあるからこそフェミニズムが生まれ、フェミニズムの主張や思想が実現することでマチズモな社会が変わっていきます。
1.フェミニズムの始まり
フェミニズムの始まりは、イギリスやアメリカで発生した女性の参政権運動だと言われています。それまでは、男性のみが政治に参加する権利を持っていましたが、女性にも投票権を求める動きが出てきたのです。これはマチズモ社会に対して、フェミニズム思想が一石を投じた活動でした。
2.身近なマチズモの破壊
参政権を持っても、男性優位主義な社会は変わりませんでした。平等な社会を目指すべく、次に発生した活動は「家社会からの解放」です。男性は外で仕事、女性は家で家事を行うといった役割分担を見直し、教育機会の均等化や職業選択の自由を訴えたのです。。
アメリカでは公民権法が、「雇用主が性別によって選んではいけない」という内容に代わり、着実にマチズモ社会が変わり始めました。
3.SNSを通じた発信
そして近年、インターネットやSNSが発達していく中で自由な発言を行える場や機会が増えています。今まで抑圧されていたこと、男性が気づいていなかった差別など、多くの発言がさまざまな人の目に触れるようになり、マチズモを変えていこうと思う人が増え始めています。
著名人の発言だけでなく、一般の方から発信される悲痛な、切実な思いは多くの方と共有できるようになり、社会全体で考える機会を多く持てるようになりました。だからこそ、他人事とは思わず、真摯に受け止めながら、「会社で」「家庭で」「日常の」行動や言動を少しづつ見直していきましょう。
まとめ
マチズモやフェミニズムについて、歴史も踏まえて解説しました。参政権を得るための運動や教育・職業選択の自由など、数々の歴史の中で少しづつマチズモ社会は変わろうとしています。
しかし、身近に潜むマチズモは数え切れません。一人一人がちょっとした意識変革と思いやりを持つことで、ひとつずつ潰していくことが大切なのです。